ふたなりの身体設計
ふたなりの絵が崩れるとき、原因はたいてい器官そのものではない。骨盤と重心が、器官を支えられていない。順番を間違えると、いくら描き込んでも立っていられない身体になる。
先に骨盤を決める
最初に決めるのは骨盤の幅だ。女性の骨格を基本にするなら、腸骨の広がりは残す。その上に器官を置くと、付け根が自然に収まる。骨盤を細くして器官だけ大きくすると、バランスが即座に破綻する。
重心は、やや後ろに置く。前に荷重がかかると、腰が引けて見える。立ち姿を描くときは、片足に体重を寄せる。両足に均等にかけると、人形のような姿勢になる。
比率は身長から逆算する
巨根という言葉があるが、寸法を先に決めない。身長と胴の長さから逆算する。太さは、腿の付け根と比較して決める。太すぎると、歩く姿勢が成立しない。描くのは静止した姿だが、動ける身体に見えるかどうかは、この比率で決まる。
血管と色は、描き込みの順番を守る。地の色、陰影、血管、ハイライト。順番を変えると、貼り付けたように見える。
レズ表現との組み合わせ
ふたなり同士のレズは、どちらが受けかを曖昧にできる。これがこの題材の強みで、同時に難所でもある。主導権が固定されないぶん、ページごとに「今どちらが動いているか」を決めておかないと、画面が止まる。
女同士の身体の距離は、男性を挟まないぶん、近い。胸、腹、腿が接する面積が増える。どこが触れているかを、毎ページ確認する。
性転換やTSという言葉で括られる系統とも近いが、身体の来歴が違う。TSは変化の過程を描く題材で、ふたなりは最初からその身体である題材だ。混ぜると、読む側が時間軸を見失う。
着衣は、脱がせないほうが効く場合がある。ワイシャツを着たまま、前を開けただけの状態。ふたなりの身体は、服を着ていると輪郭が消える。消えているぶん、開いた瞬間の情報量が増える。逆に、全裸で描くと、器官が最初から見えているので、驚きが生まれない。
表情は、相手を見ているか、自分を見ているかで変わる。相手を見ていれば主導的、自分を見ていれば戸惑いになる。この題材は、どちらにも倒せる。倒したほうが強いのは、たいてい戸惑いのほうだ。
当スタジオでは
3作品にふたなりは登場しない。依頼で来た場合、まず骨盤から描く。器官から描きはじめない。この順番だけ守れば、破綻はかなり減る。
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